効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力とガスの複合発電

いつも日経新聞の記事になるが、2月10日に英国の電力会社エクリプス・エナジーが、英北西部カンブリア州の沖合で世界初となる風力とガスの複合型発電プロジェクトに乗り出すと報じている。発電規模は200MW(20万kW)で2009年に運用開始するとのこと。通常は風力で発電するが、風が弱いときにはガス火力で発電する。ガスは現地の海底にある2カ所の天然ガス田から供給するというから、この点は日本が真似のできないところだ。
風力発電は風がなければ発電できないという基本的な弱点があるのを、ガス発電で補うことにより安定的に電力を供給できるようになる。日本では、安定性の確保のために、大型の蓄電池を入れようとしてテストが行われ、さらには、原発による発電量比率が高くなる深夜に風力発電が稼働すると系統運用に支障が出るとして、風力を切り離す(解列)ことまで考えられている。コスト面、運用面で自然エネルギーの利用に大きな足かせになっている。英国のような方式がとれないだろうか。
風力は辺鄙なところにあることが多いために、エンジン発電をしようとすると必要となる燃料の補給・貯蔵が難しい。また、海上に設置しても海底に天然ガスのあるところは日本近海にはないためガス発電は難しい。しかし、今日の新聞で商船三井が米国向けにLNG船を係留して気化設備として運用する方式を開発して2009年から就航すると報じられているが、国内向けにこのような方式、あるいはメタンハイドレード方式で天然ガス海上に貯留しで使えるようにすれば、洋上風力発電、あるいは沿岸地の風力発電との組合せが可能ではないか。そこへ地方の木質バイオマスを使った液体燃料が組み合わさればいろいろな可能性が考えられる。風力発電の不安定性がある程度解消されれば、系統に導入できる発電規模も飛躍的に大きくできるはずだ。一笑に付される考え方だろうか。