ノルウェーでは水力発電が盛んで、欧州の他国にもこれを輸出している。それもあって、洋上風力発電には力を入れてこなかった。ロイターが報じるところによると、このほど、洋上にある天然ガス処理プラントへ電力を供給するというプロジェクトが具体化するという。もともと3つの洋上風力ファーム（1,500MW）が2009年に計画されていたのだが、補助金も少なく2002年に計画が放棄されたという経過がある。ところが、この内の一つが、洋上ガスプラントの補助電源として具体化することになったようだ。英国にガスを送っているガスプラント操業の電源はノルウェー本土から海底電線で供給されていたが、一系統しかないために、トラブルがよく起きていたようだ。ガスプラントだからエンジン発電機を非常用に持ってはいるだろうが、常用には小さすぎるはずだ。
これに新たな電源としてHavsul 1という350MWの洋上風力発電が計画され、まだ最終決定には至っていないが、2019年には詳細が決定され、その後正式の契約がされることになっている。これによってガス処理プラントの操業安定度は大きく向上することになる。同時に、風力発電量がこのプラントの需要を上回る時には、本土に向けて逆送することもできるため、風の強弱による発電量の変動を制御することも出来る。ノルウェー政府が最終的に認可するかはまだ定かではないようだ。
