■カリフォルニア州が石油大手を訴える

カリフォルニア州当局が、エクソン・モービルやシェルといった石油事業大手企業を、これまで、地域の環境対応について、住民に事実を伝えていなかったとして訴訟を起こしたと報じられて居る。しかし、カリフォルニア州自体、石油・天然ガスの産出をしているのだから、かなりの自己矛盾のような気がする。州の住民からも訴えが起こされていて、なBP、Chevronも対象になっている。

訴訟が要請しているのは、気候変動基金の創設を求めているもので、補償を目的にしたものではなさそうだ。だが、州も住民も，石油産業の恩恵を受けている部分が多いのだから、この訴訟がどのような形で決着するかは、業界の動きにかなりの影響を与える可能性が高いだろう。

この訴訟が起きたのには、最近の森林火災や干魃のような地球温暖化が影響しているとされることが端を発しているもののようだ。おそらく州政府は住民から対応不足を指摘されているのだろう。今後、これらの現象に対応するために巨額の支出をせざるを得ないのを、このような形で補おうとしているらしい。石油産業に起因する損害だとして、それを補填させようとしている。

カリフォルニア州では、損害保険会社も保険契約を大きく絞り始めているようで、これが他の州にも飛び火する可能性もある。当然のことだが、石油業界は反論して、干魃などは石油事業の責任ではないとしているが、この動向が日本にも影響するかもしれない。