効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■発電と水素製造ができる太陽光発電素子

産業技術総合研究所甲南大学の研究チームは太陽光から電気と水素の両方を効率良く作り出せる薄膜材料を開発したと報じられている。薄膜系だから建物の形に合わせた設置も出来るのだろうが、発生する水素を貯めておいて、必要な時に燃料電池などで発電させれば、太陽が沈む頃に発電電力が低下するのを補うだけの水素発電が出来るとすれば、夕刻の電力需要のピークに対応出来ることになる。

「ここからは報道記事の丸写し」

―開発したのは銅(Cu)やインジウム(In)、セレン(Se)などから成るCIS系の太陽電池向けの薄膜材料で、太陽電池としての性能を高めるために製造手法を改良したところ、太陽光のエネルギーで水を分解し、水素を作る電極材料としての性能も高められたとのこと。

CIS系太陽電池は軽く柔軟といった特徴があり、成膜時にカリウムなどのアルカリ金属を加えて性能を高める。ただし、積層型の太陽電池で波長の短い光の吸収を担う「ワイドギャップ系」のCIS系薄膜では、この手法が有効でない。そこで研究チームはワイドギャップ系の一種のセレン化銅ガリウム(CuGaSe2)を使い、成膜時のアルカリ金属の添加法を変えることを試みた。従来のように成膜後に添加するのではなく、成膜終了直前にGaやSeと同時にアルカリ金属を加えた。

この結果、太陽光によって生成した正孔(電子の抜けた穴)が電気として取り出される前に欠陥に捕らえられて消滅してしまう現象を抑えられた。これにより、変換効率をCuGaSe2系太陽電池では世界最高水準となる11%に高められた。開放電圧と呼ばれる性能指標も改善した。

次に、同じCuGaSe2薄膜を使って、光エネルギーで水を分解して水素を発生させる「光電極」を作製した。光電極は光エネルギーを吸収してキャリア(電子や正孔)を生みだす電極で、水につけると水を分解して水素ができる。安価に水素を製造する手法として期待されている。

作製した光電極で水を分解したところ、太陽光エネルギーを約8%の効率で水素に変換できた。これは変換効率が30~40%の太陽電池で発電し、その電気で水を電気分解するのと同程度の効率だという。従来、CuGaSe2薄膜を用いた光電極の効率は1%前後のものが大半だった。―

この素子が大量に製造されるとすると、太陽光が強い時間帯に電力と水素ができることになる。この水素の量にもよるが、水素を貯蔵し、太陽光発電の変動する出力を平滑化するように水素を使用すれば、かなりの程度発電の変動度を少なくすることができるはずだし、その水素の製造コストも、別システムで水の電気分解をするよりもコストを下げることが出来るだろう。

早期の商品化が望まれるところだ。

 

 

 

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