報道によると、徳島県つるぎ町の町立半田病院を10月末、サイバー攻撃が襲った。病院のシステムに侵入して情報を暗号化し、復旧と引き換えに金銭を要求するコンピューターウイルス「ランサムウエア」に感染した。約8万5千人分の電子カルテが閲覧できなくなり新規患者の受け入れを停止。復旧のめどは立っていない。命を守る地域の重要インフラは大打撃を受けた。
自分が定期的に通っている病院でも、カルテは全てPCの画面で見るようになっている。これを見ることができなくなれば、手作業でデータを集めなければ診療ができない。半田病院の場合、「データを盗んで暗号化した。データは公開される。復元してほしければ連絡しろ」とのメッセージがファクスで入ったようで、PC関連のものは全て使えないようになっていた。
しかし、東京ではなく徳島の病院を攻撃したのはなぜだろう。半田病院は120床ある県西部の中核総合病院。受付で職員が患者から過去の記録を聞き、手書きで紙のカルテに記録せざるを得なくなった。もし東京の大病院がこの状態になれば、過去の情報を聞き取ることもできないだろう。病院業務が続けられる規模の攻撃をしたと言えるかも知れない。
これで分かることは、情報をデータ化している個人、事業者は、だれでもこの攻撃を受ける可能性があるということだ。自分に来た攻撃は、これだけの電子マネーを払わなければ、データを暗号化する、というものだった。無視していたら何も言った来なくなった。ひょっとしたらPCが使えなくなった可能性があったかも知れず、自分のケースは単なる脅しだったが、この病院のようなケースがこれから頻発するだろうし、それを阻止するIT事業者の数も増えるだろう。恐ろしい情報社会になりつつあるのだろう。
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