水素が今後大量に使われるかどうかは、コストも重要だが、水素の燃焼特性をどれほど有効に利用できるか、輸送・貯蔵の問題をどのように乗り越えていくかが課題となる。その一つの動きがあった。川崎重工業、ヤンマーパワーテクノロジー、ジャパンエンジンコーポレーションの3社は4月27日、外航・内航大型船向けに世界に先駆け舶用水素燃料エンジンを共同開発すると発表した。各社が2025年頃の市場投入を目指す。
発表によれば、純国産エンジンメーカーとしての技術を結集するコンソーシアムを結成し、舶用水素燃料エンジンを共同開発することに合意した。基礎燃焼解析や素材、シール技術開発、船級規則対応などの共通技術要素で連携を図る。
また、川崎重工業が中速4サイクルエンジン、ヤンマーパワーテクノロジーが中・高速4サイクルエンジン、ジャパンエンジンコーポレーションが低速2サイクルエンジンの開発に取り組むことで、船舶用主機・補機や発電用など、様々な用途に対応可能なラインナップを同時並行で完成させる。
関西電力と岩谷産業(同)も2020年11月、水素燃料電池の利活用拡大と大阪・関西万博の一層の盛り上げを目的に、水素燃料電池を搭載した船舶の商用運用に向けた実現可能性調査(フィージビリティスタディ)を開始すると発表している。
船舶は世界的に排出ガスのクリーン化に規制が強くなっている。エンジンは船体の大きさと使用目的によって変わるが、設計の自由度は高い。また、重さの違いの許容度もある。世界的に水素の海上輸送が市場化しようとしていることから、これからも同様のプロジェクトが始まるだろうが、船舶に使われる燃料としての水素、あるいはアンモニアに期待される役割は大きいと思える。
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