効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

船舶燃料規制強化まで1年半

船舶用の燃料はこれまで殆どが硫黄分の多い重油が使われてきた。だが、それが船舶から排出される硫黄酸化物と窒素酸化物が環境に大きな影響を与えるために、それを規制しようとする動きが具体化し、20年1月には燃料油に含まれる硫黄分の上限が現状の7分の1に引き下げられる。エンジンに脱硫装置を取り付ければ従来の高硫黄重油をそのまま使えるものの費用が1隻につき数億円かかり、スペースに余裕のない小型船には設置できない。液化天然ガス(LNG)などを燃料とするエンジンに切り替えると硫黄分だけでなく二酸化炭素(CO2)削減にも効果を発揮するが、体制整備には時間がかかる。2020年以降に主燃料になるとみられる低硫黄重油の価格は、現状の高硫黄重油の1.5倍ほどになるとの見方が多い。このコスト増を吸収できる船舶事業者はほとんどないと見られ、短期的には物流コストの高騰を招くだろう。だが、中には新造船にはLNGを使用する事業者も出てくることが予想され、それが環境負荷を大きく下げることを評価する荷主が利用するようになるかも知れない。それには、そのコスト増の原因を社会に広く知らせることで、環境重視の指標として認識されるように出来るのではないだろうか。そうなれば、現存のものをLNG仕様に変えることによるコスト増も受け入れられることも期待したい。港にLNG供給設備を設置することも不可欠となる。