効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■核燃料の乾式貯蔵

原子力発電所が稼働をすれば、必ず使用済み核燃料が増えていくが、現在の一般的な保管方法は水の入ったプールに入れて、使用済みでもまだ発熱が続く核燃料棒を冷ましながら一定期間保存する。これまでの構想ではこれを青森の六ヶ所村にある再処理施設に移して、核燃料サイクルの中に組み込むということだった。しかし、もんじゅ廃炉になり、核燃料サイクルの実現が無理となった今、使用済み核燃料の保管方法をどうするかを検討しなくてはならないようになっていた。

その検討が具体化してきたようだ。原子力規制委員会は13日の定例会合で、原子力発電所の使用済み核燃料を空気で冷やしながら一時保管する「乾式貯蔵」に使う金属製容器(キャスク)について、耐震性や強度の新基準を設ける規則改正案を正式決定したと報じられている。どの原発も、保存するプールが一杯になりつつあり、それをどこに移すかが喫緊の問題となっている。プールである程度温度が下がってきたものを、同じ構内に建設したキャスクといわれる容器に保存するのは、保存する期間はとてつもなく長いが、スペースとして、また、人が監視できるという面で望ましいとされている。

しかし、日本ではこの方式を導入するだけの統一基準がこれまでなかった。それが全国基準として設定されることになったのだ。新基準は全国共通のため、規制委の審査で一度認証された型式のキャスクは、どこの原発でも審査を省略でき、導入しやすくなる。3月中にも施行される見通しになっている。これで全国の原発保有の電力事業者はほっとするかもしれないが、これも稼働が進めば止めどなくキャスクが増設されることになる。これに対して地域住民がどのような反応を示すか、今後の展開を見なければならないだろう。