効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北欧で熱波が原発の稼働に影響

世界的に熱波に襲われているところが多い。記録的な猛暑に見舞われている北欧では、海水温の上昇によって、一部の原子力発電所が出力低下や一時稼動停止に追い込まれている。スウェーデンフィンランドでは、原子力発電所ダム式水力発電に次ぐ第2の電力供給源で、計11.4ギガワットの出力がある。原子炉は、冷却のために冷たい海水を利用しているが、気温が高くなりすぎると、安全操業に適さない温度にまで海水温が上昇することがある。その温度は、原子炉の種類や使用年数によって異なる。一方、地域の水力発電所の貯水量が激減して、電力価格が記録的な水準に上昇し、欧州大陸からの電力輸入が増加を続け、消費者が支払う電気料金も上昇している。それに追い打ちをかけることになったのが、この原子炉による予定外の出力低下で、電力価格がさらに押し上げられる可能性がある。欧州では各国の送電系統が結ばれているから停電にはなりにくい。この地域にある12基の原子炉で海水温が一定の水準まで上昇すると出力が絞られ、さらに高い水準に到達すると停止する。海水温が原子炉の操業に与える影響の程度は、海水を取り込む深さによっても異なる。取水口が深い位置にある方が、海水温も低い。また、冷却水として使われた海水を海に戻すときの温度によっても左右される。もしそれが34度を上回れば、一部の原子炉では、安全基準上の理由から、大幅な出力低下や停止を余儀なくされる。熱波は北欧を広く覆っているから、電力不足の状況はここ暫く続くだろう。