効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

プエルトリコの電力供給システム

米国の自治区であるプエルトリコをこの間猛烈なハリケーン・イルマとマリア、が間を置かずに襲い、大きな爪痕を残したが、特に悲惨なのは、電力供給系統がズタズタになったために、90%の住宅や事業所に電気の供給が途絶しているということだ。だが、これを契機にして、これまでの石油系燃料を使った大規模発電所から送電線を使って送られる電力の供給が、このような災害に脆弱であることが露呈した。これによって太陽光発電と蓄電池の組み合わせによる小規模分散電源の方が安定電源として優れているのではないかということが認識され、米国からの復旧支援の形で導入されようとしていると報じられている。その支援を送るものの中には、イーロン・マスク氏が率いるテスラ社を初めとする幾つかの太陽光発電事業者も入っている。支援とはいうものの、この機会を捉えて、太陽光と蓄電池の組み合わせが、電力供給の回復の迅速さと安定性を広く社会に認識させようとしているとも言える。太陽光パネルを強風に耐えるようにしっかりと屋根に設置すれば、ハリケーンが今後襲来しても停電を心配する必要はなくなる。これがプエルトリコ周辺のカリブ海諸島全体に電力を供給できるようにするには、9万キロワットのパネルが必要となると計算されているが、今回支援として設置されるものの信頼性が実証されれば、太陽光発電と蓄電池メーカーにとっては絶好のPRの機会となるだろう。そして、コストも一般庶民が入手できるほどに下がっているから、このような分散電源普及の大きな原動力となるかも知れない。日本にもこのような島は多いから、導入が始まるかも知れない。