効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カリフォルニア州に蓄電池の大製造工場

テスラがパナソニックとジョイントで蓄電池の製造工場を建設するということは知っていたが、その他に2社が南カリフォルニアに蓄電池製造工場を建設するらしい。その規模は、これを伝えた記事によると、昨年世界で設置された蓄電池総量の15%に相当するという。ここ半年で操業を開始するらしい。ここでの生産が、コスト的にメリットがあるかどうかについて疑問を投げかける識者もいる。しかし、テスラの幹部は、十分成算のあるプロジェクトだとしている。これにはカリフォルニア特有の問題がある。昨年、天然ガスパイプラインから大量のメタンガスが漏れ出すという事故があったこと、そして、太陽光発電の普及によって,昼間の需要はほとんど太陽で賄われるため、太陽がない朝と夕方に急増する電力消費に対応する天然ガス火力発電の操業が追いつかないという問題、そして、この問題解消に向けて、州当局が電力事業に大規模蓄電設備を持つことを義務づけた、ということだ。義務づけは2020年までに1.32GWという数字だが、いま世界で設置されている蓄電池が2016年で1GWに満たないということも念頭に置かなければならない。
製造されるのはリチウムイオン電池だが、この製造コストは2014年から見て現在では半分にコストが下落している。これまでは電気自動車向けのものが中心だったが、これからは、送配電系統に設置する大規模なものが市場を拡大していく可能性が大きい。テスラだけで、2020年頃には年間で15GWhを出荷するという目標を出している。これは原発数基分に相当するというからすさまじい拡大だ。これによってコストはさらに半減する可能性がある。そうなれば、自然エネルギー市場はさらに拡大し易くなるだろう。