効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱発電の環境評価

日本が持つ地熱発電の潜在量は、米国、インドネシアに続く3番目の大きさだ。地震国であることからくる隠れたメリットだが、その顕在化は進んでいない。地熱発電に適した地域が、国立公園であったり温泉地であったりして、地熱を取り出すことがその地域の環境に大きなマイナスの影響を与えるとされ、厳しい規制が適用されていた。しかし、地熱発電は発電量が安定していて、再エネによるベース電力となる。これは水力発電も同様ではあるが、規模の大きなものの開発余地が少ない。
地熱発電の開発をするための障壁になっていた規制も緩和されつつあるが、一定規模以上地熱発電設備を建設・増設する際には、環境影響評価法において、環境アセスメントを実施することが定められている。その手続には4年程度を要しており、地熱発電のさらなる導入普及のためには、手続期間を短縮することが求められてきた。NEDOでは、環境アセスメントの手続期間の半減を目指して、2014年度から「環境アセスメント調査早期実証事業」を実施している。その成果として、2017年度末頃にガイドブックとして公表し、地熱発電事業者等に広く活用してもらい、環境アセスメントの質を落とさず手続期間の半減を目指しているということだ。地熱発電の開発自体が、熱を汲み出すための穴を掘削しなければならずコストが大きい。アセスの時間が短くなれば、事業リスクも小さくなる。NEDOの成果によって大幅なアセス期間の短縮がされることを期待したい。