効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の風力発電

世界的に見ると、風力発電の設置量の伸びの方が太陽光発電よりも大きかった。最近太陽光発電の伸びが急速ではあるが、総容量としてはまだ風力の方が大きい。ところが、日本は太陽光発電が先行し、風力発電の設置量は遅々として進まなかった。だが、ここへ来て少し加速される様子になっている。風力発電の場合、設置に先だった環境アセスメントが義務づけられているし、系統接続の検討にも時間がかかる。そのため、固定価格買取制度の下でも風力発電の設置はなかなか加速しなかった。だが、日本風力発電協会(東京・港)によると、2015年末で303万8千キロワットの発電能力は20年代初めにも1000万キロワットと約3倍になる。原子力発電所10基分に相当する。これは設置容量の比較だから発電量ではないとはいえ、発電量としても日本の発電量の中に占める比率も大きく伸びるだろう。12年10月から、出力1万キロワット以上の風力発電所計画は鳥類への影響などを調査する環境アセスが義務付けられた。新規開設は滞り12年度から15年度までは年平均15万キロワットしか増えなかった。環境アセスが完了するには最低4年程度かかるとされている。だが、12年度に着手した案件も16年度には準備が終わり、立ち上がってくるとみられる。風力発電協会は16年、17年に各30万キロワット以上の新設発電所が運転を始めるとしている。その具体例が三菱商事のプロジェクトだ。新聞報道だが、三菱商事が日本で風力発電に参入する。2019年度の稼働を目指し、秋田県風力発電所を新設する。総事業費は約200億円で、発電容量は6万6000キロワットと国内最大級、運転中の施設で比べると国内2番目の規模になる。このような大型プロジェクトは他でも具体化するようなので、それに対応して系統整備も行われるだろう。通年で安定した風が見込める秋田市から秋田県潟上市の海岸部に、発電容量3000キロワットの風車を22基設けるというから、これが完成するのが楽しみだ。観光名所になるかも知れない。