効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道の風力発電足踏み

三井物産や丸紅、ソフトバンクグループ傘下のSBエナジー(東京・港)などが北海道北部での送電線の新設計画を凍結することになったようだ。事業の凍結により、SBエナジーが計画する最大出力60万キロワットの風力発電所建設もめどが立たなくなるだろう。送電線の新設計画の事業主体は三井物産などが出資する特定目的会社「日本送電」。2013年に計画が明らかになった当初から、風力発電関係者の間では実現性に疑問の声が上がっていたと報じられている。送電線を作るには数百億円の費用がかかる。政府の補助で半分をまかなったとしても、カネを生まない送電線への投資には不安がつきまとうという記事になっているが、送電線を利用する事業者から利用料をとることで事業性を出せるような工夫ができなかったのだろうか。日本送電は当初、既設の送電線に留萌市付近からつなぎ込む絵を描いていたものの、風は南に下るほど発電には不向きになるとわかった。長い送電線は費用が膨らむため、ルートを短縮し、一部の設備を風力発電事業者であるユーラスエナジーホールディングスと共用する案を模索した。この案がユーラスには受け入れられず、日本送電の計画は暗礁に乗り上げたということだ。政府は送電網を作る企業を補助金で支えることで風力発電の増設を目指したが、送電線増設にかかる負担は想定以上に重く、他の地域より強い風が吹くとされる北海道でも成り立たなかったことになる。それに加えて北本連系線の容量が小さいことも送電線の新設を阻む要因になっていることは確かだろう。何か起死回生のアイデアが出ないだろうか。