効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

潮流発電

2〜3年前、海外からの調査で、日本の再生可能エネルギーとして注目しているのは何かと問われた時に、潮流発電だと答えたことがある。日本の海岸線が入り組んでいて、鳴門海峡の渦に見られるような早い海の流れはあちこちにある。勿論良好な漁場だろうが、それとの折り合いがとれて、周辺の環境対応ができれば有望だと思っていたからだ。
このほど、環境省が潮流発電を2018年度に実用化に向けて動き出すと報じられている。環境省が14年度から企業を募り、海峡などの速い流れを使う発電施設の開発を始めるということだ。そのような開発を試みているベンチャーは幾つかあるが、どこも制度的資金的なバックアップが得られず、本格的な開発にまで至っていない。潮流は潮の干満で方向や強さが変わるが、月の運行と関連が深いから、発電量の変動予測が取りやすいし、風力発電のように予測が難しいということがないのが強みである。しかも陸地に近いところに位置するのが普通だから、既設の送配電系統への接続もやりやすいはず。環境省によると、地熱発電には2,200万キロワットと世界3位の地熱発電並みの可能性があると想定している。1,000キロワット級のものを想定することによって、漁業や環境への影響を少なくするという構想のようだ。だがこのような計画が日の目を見るようになったのは、今後長期に亘って電力需給の逼迫が続くということからであって、3/11がなければ鼻であしらわれているだろうと思う。時代の流れがやっと潮の流れに沿ってきたということだ。