効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池の耐久性向上技術

昨日もリン酸型燃料電池のことを書いたが、今日もこれに関連した記事に目が行った。関心があるから目に入るのか、開発事例が多いからなのか、よく分からないが、他の面でも世界に貢献できる新技術が日本で進んでいるようで嬉しいことだ。九州大学の中嶋直敏教授らの研究グループが、燃料電池の寿命を従来の100倍に延ばせる新技術を開発したそうだ。耐久性の大幅向上に加えて、製造コストも約3割減らすことができるようで、5年後の実用化を目指すとのこと。
固体高分子型、リン酸電解質燃料電池の場合、中核であるセルに水素を供給して発電させるために天然ガスやLPGといった燃料から水素を取り出す改質化学反応工程が必要だが、水素と一緒に出てくる一酸化炭素が、セルを構成する電極に使われている触媒である白金を被毒して劣化させるため、これを除去するプロセスが不可欠。今回の新技術ではリン酸型の電解質であるリン酸を樹脂状にし、電極触媒に一酸化炭素で劣化しにくい新素材を使ったようだ。耐久試験では、性能を維持できる発電回数が40万回以上と従来の100倍になったとしている。もしこの新素材がリン酸型の性能と耐久性を上げるとすれば、これまで余り拡がらなかったこのタイプの燃料電池の利用が、家庭用も含めて拡大するかもしれない。