効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ロシアからの電力輸入

ロシアから電力を日本に輸入する計画が具体化してきたようだ。これまでにここでも高圧直流送電の導入の構想の中で触れたことがある。ソフトバンク三井物産、ロシアの政府系電力大手インテルRAOの3社がロシアで発電した電力を日本に輸入する構想を打ち出したと報じられている。一昨日書いたLNGの輸入とも関連するはずだ。3社は日ロ間の送電網の構築に向け事業化調査を実施、2016年以降の輸入を目指すというから、それほど先の話ではない。海底送電網の設置とロシアでの発電所の建設を並行的に行えば可能な日程だろう。日本の電気事業法はこのような輸入を想定していないが、現在進行している電力供給事業の改革からみれば大きな問題にはならないはず。供給の安定性が政治的な影響を受けるとする考え方もあるが、これはロシアの売り手としての信頼感をどれほど評価するかがある。英国にいる友人で天然ガスの専門家は、日本はロシアというとあまりに警戒しすぎると言っていたが、その通りだと思う。
3社はすでに日本の経済産業省や外務省に計画を報告したようで、水資源が豊富で発電コストの安いロシア極東の水力発電所などから電力を買い取り、サハリン経由で日本に送るルートを想定している。調査を通じて14年中に投資額などを詰めるが、発電所の建設計画なども含めると投資規模は数兆円になるらしい。これが高いか安いか、何と比較するか難しいところだが、現在LNGも輸入しているのだし、それが拡充される方向であることを考えれば、妥当なところではないか。日本の電力不足が2016年に解消される可能性があるというのは歓迎すべきことだろう。