効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■北海道に大規模陸上風力発電

日本で陸上風力発電を建設する土地に余裕があるのは北海道だけだと思っていたが、今日の報道記事で、豊田通商が2023年に国内最大級の陸上風力発電設備を稼働させることを知り、矢張りと思った。発電能力は原子力発電所半基分に相当する54万キロワットで道内の風力発電量は約2倍に増える。発電と送電を一体で整備し、再生可能エネルギー普及の課題である送電網の強化につなげるようだが、送電線の新設、あるいは、既設のものの容量増強コストを含めて考えると、この風力発電所の発電コストはかなり上がることになるだろう。

風力発電を整備するのは北海道北部の稚内市から幌延町にまたがる地域。土地が広く、風力発電に適した強い風が吹く。豊田通商の子会社で国内最大の風力発電事業者、ユーラスエナジーホールディングスが45.7万キロワット、コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモエコパワーと新電力のLooop(ループ)が計8.5万キロワットを発電する。一部の発電設備は既に着工しており、23年から段階的に稼働する。ユーラスは出資する送電子会社を通じて計80キロメートルの送電網を自前で整備し、コスモなどの発電設備も合わせて北海道電力の送電網とつなげる。これだけの距離の高圧送電線の設置コストはかなりの規模になるが、全体として発電コストをFITで売電することで賄うことができるのだろう。

風力発電の出力は風任せで変動するから、世界最大規模となる容量72万キロワット時の蓄電設備も整備する。蓄電池はGS・ユアサコーポレーション製の大型リチウムイオン電池。このコストも小さくはない。国の補助金もあるようだから、何とか利益を出せる感じのプロジェクトではないだろうか。

送電事業は国が認可する形で大手電力以外でも参入できるようになった。ユーラスは発電設備の容量に応じて発電事業者から送電網の利用料を受け取り、借り入れなどで投じる資金については長期間かけて回収する。将来は蓄電池にためた電力を卸電力市場の価格が高騰した際に売るといった施策を通じ収益力を高めることも検討する。

北海道内の電力需要は冬のピークでも500万キロワット超と、首都圏の10分の1以下にとどまり、北海道内では消費しきれない場合もあるから、電力を首都圏にも供給する構想を描くと報じられているが、北本連系線の容量は90万キロワットしかない。新たな海底電線を設置する必要があるが、これから建設が予定されている洋上風力発電の連系線に上乗せするのだろう。

風力発電設備のメーカーは報じられていないが、短期間で発電が開始されるところを見ると、海外の製品である可能性が高い。そして、これが大規模陸上風力発電の最後のプロジェクトとなるだろう。

 

 

 

 

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