効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ソーラーシェアリング

3月21日に書いたブログに貴重なコメントをいただいた。『本格的なソーラーシェアリングが始まりそうです。園芸植物生産用地を活用した太陽光発電事業
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20120404/CK2012040402000008.html
http://www.daisanbank.co.jp/dat/20120404164400.pdf
農業と太陽光発電を同時に行なうのは全国でも初の取組になるそうです。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」 を活用して7月から稼働を目指しているようです。』という山猫さんからのもの。ここで紹介された4月4日付けの中日新聞を読んで感心してしまった。その記事によると、農業を営む個人が、5千平方メートルもの農地で太陽光発電を始め、設置するパネル一枚一枚に30センチの隙間を作る構造にしている。この農家が栽培するユリ科の植物・タマリュウは半日陰が生育に適しており、本来なら農地転用許可を貰う必要があるのを、三重県が特例として農地転用許可なしでパネル設置することを認めただけでなく、県の経営革新計画としても認めた。さらに第三銀行が無担保で億単位の融資をしたというのだから素晴らしい。このプロジェクトが成立したのは、この農家が栽培する植物の特性を良く理解し、それに太陽光発電設備メーカーが適切な日照量になるよう工夫したからだと言える。県と銀行という、普段なら石橋を叩いても渡らない組織体が、これに積極的な支援をしたというのは、時代の流れだとも言えるだろう。農業というと燦々と照る太陽を当然のものと想定していた自分の思い込みにも気がつかされた。これを先例として、太陽の恵みを分け合うような事業が全国に広がることを期待したい。他の動植物でも日陰の方が生育に適したものはあるだろう。放射能に汚染された農地についても、放射能物質を吸着しやすい植物で日陰に育つものがあれば、除染対策としても極めて有効な事業となる可能性もある。7月に決まるはずの太陽光発電からの電力買取価格が、このようなプロジェクトの事業性が十分確保できるレベルになることを願うばかりだ。