効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

供給予備率

今朝の新聞に、関西電力は2日、姫路第2火力発電所兵庫県姫路市)5号機(出力60万キロワット)の運転を停止したと出ている。発電に必要な磁界の発生装置で部品の劣化が見つかり、運転を止めて部品の交換や点検に入る。7月下旬に再稼働する予定としている。
供給予備率が10%を切ったときに、これで大丈夫かと質問を受けることが最近よくある。夏が本格的になったときにしのげるかというのだが、このような故障が起きることも想定すると、大丈夫だとは言えない。すでに関電の場合、舞鶴の火力発電90万キロワットも故障で一基止まっている。もしどこかの発電所がさらに故障したらと考えるとやばいことになる。そうならないという保証は誰もできない。大型発電所の場合、部品の取り替えでも時間がかかり、数十万キロワットが失われる。現場ではそうならないように必死で操作し、補修しているのは間違いないが、だからといって故障が起きて発電が止まらないとは言えないのだ。そこに予備率の意味がある。大きすぎれば無駄だし、小さすぎれば需要増だけでなく、このような故障停止によって能力が下がることが全体に影響する。
電力会社もこれまで続けてきた大型火力中心の設備を見直すべきだろう。せいぜい数千キロワットのものをあちこちに建設する。そうすれば排熱利用も可能となる部分も出てくる。そして、小さなものが一斉に故障する確率は非常に小さい。また、小さいものは需要地に近いところに設置するはずだから、送電ロスも少なくなる。故障リスクを考えると、小さな設備は高く付くというこれまでの発想は間違いだと思う。これからは様々な規模、種類の分散型電源を電力会社が取り込むべき時代に入った。自ら手がけなくても、小規模発電から、その発電事業者が利益を出せる値段で買電することで目的は達成できる。