効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

量子コンピュータ

ずっと昔に聞いたことのある量子コンピュータが実用になるかもしれないという。東芝の欧州研究所が、特殊な赤色LEDを半導体チップに集積することによって、特殊な量子効果を生み出したのだ。英ケンブリッジ大学と開発したLEDは基板の表面にナノ(ナノは10億分の1)メートル大の微細な山が多数できている。電気を流すと、山の部分を通じて、通常の物理学では説明のつかない特殊な「量子もつれ」と呼ばれる状態の光の粒が発生すると報じられている。量子もつれなど、舌をかみそうなという印象しかないが、量子というのはつかみ所がないものだから、それを多少でも掴みやすいものにできたのだろうと勝手な推測をしている。量子もつれは離れた場所にある光の粒同士が、連動して状態を変える現象と解説されているが、これを書いた記者も理解することはできなかっただろう。
この発明によってこれまでの超高速コンピュータでは解析できなかった現象も短時間で分かるようになるという。いまごたごたの渦中にある民主党政権が、事業仕分けと称するパーフォーマンス的政治行動で、スーパーコンピュータで世界一を目指すのが無駄であると決めつけたが、世界一を目指さなければこのような成果を生み出すことは極めて難しいものだと思う。世界第二で良いと思うと、第二にもなれないのが競争の世界だ。ともあれ、このような成果を世界に先駆けで生み出した東芝にエールを送りたい。昔、江崎ダイオードが発明されたときに、日本では全く評価されなかったと聞いている。その前の八木アンテナの原理もそうだ。今回の発明を日本の学界なり業界がどのように評価するだろうか。計算速度も速くなるだろうが、多分計算当たりのエネルギー消費量も劇的に下がるのではないかと思えるのも別の関心事だ。間違っているかもしれないが。