効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

unaさんから再度のコメントとkynthmさんからのコメントが昨日に

  • unaさんからー議論が面白くなってきましたので、もう少々お付き合いいただければ幸いです。
  • <太陽光の余剰買取制度>あるいは誤解があるのかもしれませんが、余剰買取制度の原資は税金ではなく電気料金です。電気料金が原資になっているからいくつか問題があります。第一に電力会社自身が太陽光に投資するインセンティブが無いこと(電気の価格競争力に響くので)。第二がW発電の問題です(電力会社からしてみれば、電気料金を原資にガスの拡販を助けているようなことになってしまう)。

余剰電力買取が電気料金であることは理解しています。これをあとから税金で電力会社に還付するという方法もとれますが、現在の財政では難しいでしょう。また、温暖化対応は国の約束ですから、ある程度まで国民全員が対応するものと考えていますので、電気の消費者がその負担をするのは一つの方法だと考えています。電力会社が太陽光発電に投資するインセンティブがない、ということですが、インセンティブを生み出すような制度がないからでしょう。しかし、20世紀の終わり頃に、カリフォルニアの電力会社が系統の容量を補強する代わりに太陽光発電を設置したほうが、総投資額が少なくなることが分かった、という例があります。その当時の太陽電池価格での計算ですので、需要に近いところに設置すれば、現在の電池価格でも引き合う投資になる可能性は高いかもしれません。関電がシャープ工場の近くに設置するメガソーラーは財務的に見ると利益を生み出すだろうと思っています。長距離送電の必要がないので送電ロスも小さいでし、維持管理コストもほとんどなしですから。W発電は仰るとおりかもしれません。何らかの妥協が必要でしょう。また、ガス会社が燃料電池とのW発電を売るのではなく、消費者が個々に購入すれはどう対応するかもあります。W発電の普及度合いも関係すると思います。将来、電力会社がW発電事業をしても良いかもしれません。LNGは持っていますから、ガス会社の導管を借りる形のビジネスモデルとしては可能です。

  • 原子力拡大と風力拡大のどちらを優先すべきかとの論点に対して、YSER様は風力を優先すべきとのご意見と理解しています。他方、私は、設備利用率の差を考えれば、CO2削減の手段としては、原子力のほうが4倍有効であり、こちらが優先するのではないか、と思っているということです。

原子力の拡大には反対の立場ですので、申し訳ないですが優先度の問題ではありません。設備利用率の差を問題にされるのなら、原子力容量の4倍の定格能力を持つ風力発電を設置すれば良いことになります。また、原発の新設には風力の新設に比べて非常に時間がかかります。私が原子力賛成派であれば、まず風力発電に着手してCO2削減を始め、同時並行に原発を設置していくという論をとるでしょう。風力発電には廃棄物はありませんから、私は後の世代に問題を残さないためにも、これ以上原発を増やすべきではないと考えています。いまあるものは次善の策として、安全第一に運転して貰うのを祈るだけです。この点について、kynthmさんがコメントで補強してくださり有難いです。風況の良いところは日本にもあります。風の特性が国によって異なることはありますが、年間の平均風速が事業性の判断基準になります。

  • おっしゃるとおり、日本はピークカットのためのスマートグリッドのニーズはあまりないと思われ、課題は再生可能エネルギーの取り込みなのでしょう。この部分は、日本も粛々と検討を進めており、欧米が特に先行しているわけではありません。

再生可能エネルギーの取り込みだけではなく、スマートメーターを使った消費の効率化(必ずしもピークカットではありません)もスマートグリッドの重要なファクターです。これがなければスマートグリッドとは言えないと私は考えています。ですから日本の電力会社が行っているのは、ITを使った系統制御の高度化にすぎないと思っています。これは定義の問題になります。強調したいのは、消費の効率化は地球温暖化対応の要の一つだということです。
毎日長いのも問題ですので、残りはまた後ほど。議論は続けましょう。良い勉強をさせて貰って感謝です。