効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電と余剰電力買取価格

日本で太陽光発電設備を持つと、使い切れなかった電力は系統を通して電力会社に販売されることになっている。これまでは、購入電力の単価と同じ価格で電力会社が買い取るようになっていると理解していた。売買等価で電気がやりとりされるのだ。ところが、この方式を電力会社のほうが改めて、少し高く買い取るようにしたという情報が入ってきた。
九州宮崎に住む友人で昔から太陽電池の普及に力を注ぎ、当然ながら自宅にも太陽電池を設置しているが、最近九州電力から買取価格をkWh(キロワット時)あたり29円で余剰電力を買い取るという通知が来たそうだ。その情報によると、いままでの買取価格が20円程度だったのでほぼ1.5倍ということになる。これは料金体系の変更になるから経済産業省の認可を得て行われているはずだ。従来電力会社は、太陽光発電から売買等価で買い取るのは社会的責任として行っているのであって、実際には損をして買っていると主張していた。この価格変更は基本的姿勢の変更であって、太陽電池の市場に与える影響は大きいだろう。
この29円/kWhは既に太陽電池を設置している住宅向けで、これから設置する場合には25円だそうだ。設置コストが下がっていることを考慮したものだろう。時間帯別電灯10時間型と時間帯別電灯8時間型が対象で、従来であれば前者の場合月80kWhまでは20.62円、後者は90kWhまでが19円であり、それを超えると最高でそれぞれ20.09円と25.89円だったから、かなり高く買い取ることになっている。オール電化料金だけが対象だろうか。
家庭用太陽光発電に対する政府補助金が一昨年になくなってから、太陽電池の国内出荷が急減して横ばいとなっている現状を打開するために、政府が電力会社に圧力をかけたのではないかと思う。しかし、この高い価格で買い取っても収益性があるという説得力のある説明がなければ、株主訴訟が起きてもよいほどの変更ではないか。これに何年間か契約時点での価格を保証しますという内容があれば、ドイツに比べて価格差が小さいのは別として、いままでこの情報をくれた友人が絶えず採用するように主張していた固定価格買取制度と同じものとなる。
このような重要な変更がマスメディアには全く出てこないのはどうしてだろう。また、九州電力だけでなく他の電力会社も同じ体系が実施されなければ不公平になるはずなのに、それもよく分からないというのも実に変だ。