効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

シャワーと風呂

先日英国から来て、日本人の奥様の実家がある山科に滞在している人と仕事の話をしたが、最後に分かれるときに最近の本格的な寒さの話になった。彼が、日本の浴室の寒さには閉口しているとこぼす。日本では浴室に本格的暖房を入れている家はあまりないし、特に田舎の家だったら期待できないから、どこの部屋へ行っても暖房が効いている英国から来ると、裸になれば寒さにふるえるだろう。聞くと、彼は浴槽につかるのではなくシャワーを浴びるのが普通なので、お義母さんが浴槽の蓋を開けて蒸気で浴室を暖めてくれているのだそうだ。しかし、それではなかなか浴室は暖まらないだろう。
そこで、彼に伝授したのは、シャワーをやけどしない程度の高さに設定して4〜5分お湯を出しっぱなしにするという方法だ。自分も燃料電池が設置されるまでは、ほとんどシャワーだったが、その時にこのフラッシングをして結構暖かくなるのを知っていたからだ。燃料電池が入ってからは、貯まった熱をお風呂の湯に使わなければ全体効率が上がらないから、生活習慣を変えて毎日本格的なお風呂に入っている。ほとんど汚れていないお湯を冷めないように蓋をして翌日も温め直すというのがこれまでだったが、排熱を回収して暖まったお湯に全部入れ直す方が、前日の少し暖かさの残ったお湯をガスを使って暖めて再利用するよりもコスト的には安い。連れ合いは、貴方は水が勿体ないといままで言っていたのに変だと非難するが、燃料電池の効率が高くなるようにしてやりたいと思ってのことだ。
シャワーを使って浴室を暖めるのは結構日本ではよく利用されている筈だ。ガス会社の販売しているミストサウナにも似たところがある。ミストサウナの説明もしてやったら、今晩早速試してみると言っていたが、結果はどうだったろうか。
効エネルギーを考えるときに、生活習慣をよく理解していないと効果が出ないことが多い。ロンドンに居たときに家主から言われたのは、冬に休暇で家を空けるときには絶対暖房を切ってはならず、温度設定を最低にして出かけてほしいと言うことだった。そして、日本人は休暇の時に暖房を止めてしまうので配管が凍ってしまい、休暇から戻って暖房を入れたら破裂して大洪水にすることがよくあるから、本当に注意してくれと念を押されたのを思い出す。日本でこのようなことは北海道以外ではないだろう。北海道では、東京から来た人が同じ間違いをするらしい。普通の日本人には人が居ない家を暖めておくという発想はないのだが、これが高断熱の家に住むようになると家全体を暖めて当たり前というように考え方が変わるかも知れない。そうすると、効率の良い家に住んでも、消費するエネルギー量は増えることになるかも知れない。英国人が冬の日本式浴室で困ったことがきっかけで、こんなことを考えている。