効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エネルギー消費の少ないエネトナーの開発

富士ゼロックス複写機やプリンターに使うトナーで従来品に比べて消費電力を最大で20%削減できる製品を開発したと報道された。すでに専用の製造プラントを富山県に建設したという。
トナーは紙に静電気で印字されたものに付着し、高温で加熱されて一瞬の間溶けて紙に焼き付けられる。昔はその高温部が常に熱くなっていて、コピーが実際に行われていないときにも高い温度で維持されたから、そこでの電力消費が大きかった。それを実際にコピーするときだけ加熱するようにし、しかもその加熱に要するエネルギーと時間を少なくする技術の開発に力が注がれていた。ところがトナーの工夫でエネルギー効率を上げることができたというのは素晴らしいことだと思う。それで2桁の効率アップができるとは驚きだ。トナーが溶ける温度を同社の従来品より20度以上低くできたのがその核心だ。温度を低くしていながらコピーの印字速度を同じに保つのも技術的には難しいだろう。
この新しいトナーは、粒子が細かいことなどから紙に定着しても表面がなめらかで光沢度が同業他社製品に比べて2倍以上という触れ込みだ。色の鮮明度の高い高画質だそうだから、単なる印刷を超えた新しいデザインを生み出す要素になるかも知れない。技術開発は多様だなと実感した。