効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LEDの交通信号

今日の日経新聞にLED信号を増やせという記事がかなり大きな段数で出ていた。自分が交通信号にLEDを使うべしとある新聞の随想欄に書いたのは多分10年近く前のことだった。従来の電球式に比べて消費電力も6分の1で済み、発光素子の寿命は8年ほどで、電球のように1年ほどで切れることはない。それよりも何よりも、太陽の光が直接当たっても、信号の色が明確に分かるために、自動車を運転する人にとっても歩行者にとっても安全性が高まる。記事にも、LED化した車両用信号機を対象にした2001〜05年度の調査では、年間事故件数が28.8%減少したと述べている。
ところがまだ全国の信号機200万台の1割弱に留まっている。価格が「電球式の1.5倍程度する」からだという。昔新聞に投稿した頃には、この価格が10倍ほどしていた。それがこれほど安くなっているのにはかえって驚くほどだ。これだけの価格差なら、消費電力が下がることから来る費用の削減で、すぐに元が取れると考えられるが、こういう発想はお役所の単年度予算主義では通用しないのだろう。電気代だけではない。電球の交換に人手がかかるし、レンズで光を強くしているために、ときどきレンズ表面の埃を落としてやる必要もある。これには当然人件費がかかる。LEDは小さい発光体が集まってできているために、汚れに強くて雑巾がけなどしなくてもよいと聞いている。どうも雇用維持のためにLEDに切り替えていないのではないかとも思える。確かに雇用の問題、またこの信号機維持管理をする会社のことも考えないといけないが、安全性が高まり、かつ数年で投資コストが回収できるのであれば、税金の無駄をなくすることにもなるのだからもっと早く切り替えるべきだろう。雇用問題は別に考えるべきことだと思う。
信号機は赤、黄、青と切り替わるが、一つの信号機でみれば24時間点灯しているし、交差点には最低4基、歩行者用もある場合には8基常時稼働している。その電力消費削減量を全国でまとめると発電所単位で削減できるくらいになるはずだ。民営であるJRや私鉄の線路用信号機はどれくらいがLEDに変わっているだろうか。明日大阪へ出かけるときに調べてみよう。