効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

三菱商事が木質ペレットの製販事業に

昨日木質バイオマス燃料のことを書いたが、三菱商事がこの20日に発表したところによると、木質ペレットの製造・販売に進出するそうだ。大分県日田市に国内最大能力25,000トンの製造装置を導入する。これは主に石炭ボイラー混焼用に供給するらしいが、部分的にはペレット専焼ボイラーへも販売することも可能だろう。
電力会社はどこも石炭火力発電所を運用している。石油、天然ガスに比べて価格が安いために、ベース用発電に使われているが、泣き所は炭酸ガスの排出量が他の化石燃料に比べて多いということだ。木質ペレットは石炭の代替燃料として、火力発電の場合カロリーベースで5%ほどならボイラーを改造しないで使えるために、電力会社はオーストラリアから輸入したペレットの燃焼テストなどを行っている。木質バイオペレットは、粉砕・乾燥させた木質バイオマス原料を6-8mm の直径と20-30mm の長さの円柱状に圧縮・成型した固形燃料で、性状が安定して扱いやすくなっている。原料には大分県の杉樹皮などの未利用資源を使うそうで、地元の林業にも良い影響を与え、僅かながら新規雇用を作り出すことにもなるだろう。
この大量生産される木質ペレットのコストがどれくらいになるかは分からない。電力会社がカーボンニュートラルであるこのペレットをいくらで購入するかだが、再生可能エネルギーとして通常の石炭価格よりカロリーベースで高く買うかもしれない。しかし、べらぼうに高い値段では発電コストに影響するためにそれほど高いものになるとは思えない。その価格が石炭混焼用以外にも使えるレベルのものであるとすれば、日本に木質ペレットの市場を形成する新しい要素になるだろう。
商社が行う事業だから、採算性は十分に検討しているはずだ。地域の未利用木材をどのように効率的に収集し、製造するか、今後の木質ペレット事業のモデルになってほしいものだ。
三菱商事のニュースレリースは次のURLで見ることができる。
http://www.mitsubishicorp.com/jp/pdf/pr/mcpr070820.pdf