効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱電変換素子

今日の日経新聞は、東芝が工場の排熱を使って発電できる熱電変換素子を開発したと報じている。この素子については、2〜3年前に東京で開催された省エネか環境関連の展示会でサンプルを見たことがあり、実用化はいつのことになるのかと思ったのが記憶にある。これは数百度の温度があれば、外気との温度差で発電する半導体であるが、安定的に発電できるか、耐久性は、コストはと、課題が幾つもあったのだ。この障壁を乗り越えて、年間300万個量産した場合、単価が数千円程度になると見込んでいるそうだから、商品化の段階に来たと言って差し支えないだろう。
記事によると、この素子は、一辺が約4センチの薄板で、重さ35グラム。高温側が700度、低温側が室温の場合、一個から最大40ワットの発電が可能だそうだ。温度に加えて排気流量が関係するはずだが、これを使えば、記事にもあるように自動車の排気管に取り付けて小規模発電をするとか、工場のボイラーの排熱や薪ストーブの排気で発電してファンを回すなど、いろいろのアプリケーションが考えられる。太陽光をレンズで集光して高温にしてやれば、この素子で発電ができるだろう。高温燃料電池の排気で発電することも可能だ。
高性能のガス機器は電源が必要だ。だが、この熱電変換素子を利用すれば、調理している間の熱で発電してバッテリーに貯めておき、通常の電気を使わなくても良くなるかも知れない。ともかく、コストと寿命が問題だが、面白いものが登場したものだ。