効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオミミクリー

パナソニックが太陽光のエネルギーで、炭酸ガスと水をエタノールなどの有機物に合成するのをこれまでの技術より5倍は高い効率でできる技術を開発したという。太陽光と水、CO2を反応させるシステムにLED(発光ダイオード)などの半導体に使う窒化ガリウムと独自の金属触媒を採用した。植物並みの変換効率を達成したのは世界初。生物がやっていることを真似るバイオミミクリーだ。今後は太陽光パネルに似た形状の触媒を使った人工光合成システムを試作し、実証実験を始める。2015年度には人工光合成で生成したエタノールを燃料にした発電システムの実用化を目指しているというから驚かされた。これがうまく実用化されるとすれば画期的な技術になる可能性がある。バイオ燃料も作れるし、タンパク質も合成できるかもしれない。世界の食糧とエネルギーの供給の一翼を担うことも夢ではなくなる。短期的な見方からすると、太陽光からエタノールができるなら、蓄電と同じ効果があり、エンジン・タービンで発電することができるため、変動する太陽光発電出力を安定化させることも簡単になる。太陽光技術から派生したものだが、パナソニックがこのような技術開発をしたということには意外性もある。電機メーカーの範疇に入らない事業分野が新たに育つかも。