効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

面白いペットボトルの利用

東京電力が建設を進めている50万V西上武幹線の箕郷―西毛区間(こう長約20キロメートル、鉄塔48基)で、ペットボトルロケットを使った延線作業が行われたと電気新聞が報じている。電線は最初から本体を張るわけではなく、まずロープを張って、それを電線に繋いでたぐることで敷設する。ところが、この送電幹線の場合、地形が複雑でロープを張ること自体が難しいらしい。谷底まで下りてまた山を登らないとロープが張れないという状況のようだ。そこで、河などルート上にある障害物を飛び越えてロープを張るために、ペットボトルロケットに釣り糸をくくりつけて飛ばしたのだ。鉄塔と鉄塔の間に深い谷がある場合、一方の鉄塔付近からもう一つの鉄塔付近に向けて、子どもたちが作っているような方式のものを飛ばしたのだから楽しい話だ。これまでだとヘリコプターを使うのだが、ヘリコプターも使えない場合もあるという。
ペットボトルに水と空気を注入して飛ばすこのロケットは、キットでも売っている。そんなに高価なものではない。キットでなくてもどこにでもあるボトルを利用することもできる。今回は3カ所でこの方式を使って成功させたという。飛ばす距離に合わせてロケットに入れる水と空気を調節して、川幅約60メートルのところを飛び越えて対岸まで延線用の釣り糸を無事送り届けた。この道糸にロープを繋いでたぐり寄せ、ロープからワイヤー、電線へと引き替えることになる。
これを最初に考えた人は柔軟な発想を持つ人に違いない。大きくコストダウンもできたはず。社内表彰をしても良いくらいのもの。全国の架線工事に使えるだろう。作業自体も楽しいものとなるはず。
ペットボトルロケットの作り方を説明したホームページがあるから覗くと面白い。
発泡剤で圧力を高めるのだが、その量など東電の職員も少しは苦労したかもしれない。