効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■千葉県での大停電の長期化

 台風15号の通過からまる2日たっても、千葉県では事態が収束するめどがたっていない。東京電力は、10日夜の時点で、11日朝までに停電戸数を約54万戸から約12万戸にまで減らし、11日中にはすべて復旧させるとの見通しを示していた。しかし、今回の台風の風の強さが、送電鉄塔まで倒壊させるほどのものだったから、道路にある電柱などは軒並みになぎ倒されている。おそらく他の大手電力会社からは救援の人達が大勢支援に駆けつけているだろうが、その人数にも限界があるだろうし、寸断された電線を一時的な措置としてつないでも、そこへ電気を送る幹線送電線が破断しているから、それを回避しながら他地域で機能している送電系統から迂回して電力供給を送るというのも、よく注意して実施しないと二次災害につながる可能性もある。

 今回の停電は、北海道の広域停電とは全く状況が異なっている。北海道では送電線は全部健全だったからだ。直下地震で規模の大きい発電設備が複数突然止まってしまったために、電力の需給バランスが大きく崩れて周波数が大きく下がり、健全だった他の発電設備も停止せざるを得なくなったのだった。だから健全な発電設備の容量に見合った電力量まで送電することに支障はなかったために、停電時間も短く済んだのだ。

 だが、千葉の停電は、電気を送る電線が広域で寸断されているし、基幹送電線の鉄塔が倒れたのを復旧するのは少なくとも数か月はかかるだろう。迂回路を設定するとしても、東京電力パワーグリッドにとって簡単にできることではないはずだ。鉄塔は強い風が当たっても耐えられるように、余裕を持たせた設計になっていて、その基本はこれまでに起きた風速に加えて大きな安全係数をかけたものになっていたとは断言できる。人智を超えた自然の力に負けたということで、リスクマネジメントが現在の気候条件に対応できなくなっていることを示している。

 病院などの重要拠点を回復させた後、それを拡げていくことになるが、高齢者や自宅で療養中の人達にとっては非常に危険な状態が長引くことになる。そして緊急対応が終わってから、通常の送電網に切り替える時には、再度短時間だろうが停電が各地で起きざるを得ない。同じことが今後他の地域で起きないとは言えないから、それへの対応策を具体的に実施するための検討が行われる必要がある。また、病院には二重三重の非常用電源の確保を今後義務づけなくてはならないだろう。そのコストは膨大になるが、それが出来なければ同じことが繰り返されかねない。地域のマイクログリッドの重要性もあるはずだから、地域の電力ネットワークを再検討する方向も今後示されなければなるまい。

 

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