効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオ燃料

最近、トウモロコシやサトウキビを原料とするエタノールをガソリンに代替させようとする動きが活発化している。しかし、これに対し、食料の一種を燃料に変えるのは本末転倒だという批判が巻き起こると同時に、穀物価格が急騰する現象が顕在化した。トウモロコシを主食にしている民族は多いし、加工食品の基礎的素材であると同時に、家畜の飼料でもあるから、この批判は極めて妥当である。この政策を打ち出した米国のブッシュ政権は大きな過ちを犯したと思うが、その尻馬に乗ったように日本政府も日本で消費するガソリン代替にエタノールを言い出したから厄介だ。日本で問題となっている廃材や間伐材のようなものがエタノールになってくれれば良いが、木はそのリグニンが分解しにくいために技術的にエタノール化は難しい。当面は輸入に頼る他はない。温暖化対応だといっても、食料を奪われる国から厳しく批判される可能性もある。
それよりも、廃食油を比較的簡単なプロセスでディーゼル燃料にする方が、当面の方策としては実用的で普及にも有効なのではないか。京都市が現在、家庭や飲食事業の廃食油を回収してディーゼル燃料にし、約220台のゴミ収集車と一部の市バスに使っている。このプロセスの要は、使用済みの植物油を安定的にまとまった量を集めるシステムを構築することにあると言われる。古い京都の街には、地域の連帯が強く残っているために家庭からの回収ルートも維持されているのだが、この連帯のないところでは、その地域にあった収集方式を創り出さなければならないだろう。エネルギーの地産地消として考えれば、一番手近なものであるし、コスト的にも既存の軽油と比較しても、拒絶的に高くなるものではないようだから、廃食油からのディーゼル燃料の普及に政策的重点を置けないだろうか。