関電工が、効率的な無電柱化工事を実現できる簡易管路掘削機を開発したと報じられた。東京都は2020年のオリンピックに向けて主要道路の無電柱化を打ち出しているが、そのコストが膨大になるのが課題となっていた。これをかなり解消できることになりそうだ。ここでも同じようなことを提案したことがあると記憶しているが、通常は開削して工事を行うが、この掘削機を用いれば非開削で管路を敷設できるようになったようだ。今後、実現場での試験運用を重ね、実用性検証や課題の改善を進めて利用拡大を図るということだが、道路の上から溝を掘って埋設するのよりもコストを削減できることは自明だろう。機器は掘削機本体の他、スライド架台(レール)、油圧ユニットなどで構成される。発進立坑にレールを設置し、油圧モーターでオーガー(ドリル)を回転させ、操作レバーを人力で押し込んで掘削する。道路に掘削機本体を収納できる穴を掘るだけで済む。他の埋設物を避ける方策が必要ではあるが。これまでこの方式が開発されなかったのが不思議に思えるが、電柱を建てて電線を張る方が絶対的に安くつくから、他の方法は検討されなかったのだと思う。しかも電柱に張った電線は、切れてもすぐ分かるし再接続もやりやすい。だが、地中埋設の電線の方が、地震にも強風にも切れにくいことは、これまでの地震災害で理解されるようになってきた。地中埋設の電線が切れた場合、その場所を特定する技術がなかったのが、それも解決したようだ。だが、日本の道路から電柱がなくなるのは当分望めないだろうが。