この報道記事を読み、さらにブラザー工業のプレスレリースを参照してみたが、コピー機やファクスなどの製造販売をしてきた企業が、燃料電池事業に参入するというのには少なからず違和感を持った。非常用電源など向けに4.4キロワットの固体高分子型燃料電池(PEFC)を製品化し、28日から受注を開始するということだが、これまでに技術蓄積はあるのだろうか。燃料電池を「次の30年に向けた新たな事業」と位置付けて、「25年度までに200億円の売り上げを目指す」との目標を掲げている。写真を見ると、水素貯蔵タンクから水素が燃料電池に供給される方式だから、純水素を使うPEFCで、消費されなかった水素を回収する機構を付けて、効率を上げるように工夫している。既にサンプル出荷を始めているようで、岐阜県内では他社と協力し、発電時の廃熱を給湯に活用できるシステムも設けたようだ。今年度中に別モデルも発表するらしい。疑問はどこから水素を手に入れるかで、多分水素吸蔵合金を使っているようだから、格別高圧の水素でなくても良い。だが、非常用とはいえ常時発電すればコンスタントに補充しなければならないから、水素の供給方式を知りたいところだ。しかし、純水素燃料電池がここまで普遍的な技術になったと言えるのかも知れない。