午前遅めに家を出て堺筋本町近くのマイドームおおさかへ出かけた。CASA(地球環境市民会議)他が共催したセミナーに出席したのだ。龍谷大学の大島堅一教授、名古屋大学大学院の高村ゆかり教授のお二人が講演されたのだが、大島先生は「エネルギー基本計画の改定に向けた課題」、高村先生は「再生可能エネルギーの現状と、さらなる導入のための課題」というテーマでお話しいただいた。会場の会議室は満杯の80人超。少し気になったのは若い人の参加が少なかったということだった。お二人にはいろいろ教えて貰ったが、今日のワンポイントで言えば、原発をなくしても電気料金が上がることにはならないということだ。関電の原発が再稼働した結果、海外からの燃料調達費用が減って電気料金が少し引き下げられた。これは大島教授の説明でも、短期間の計算で見れば料金の引き下げにはなるということだ。ただ、長期で見ると、いずれは全て廃炉にするのだから、そのコストを考えると原発の発電コストは上がることになるということだった。再稼働で電気料金が安くなったことを利用して、原発は安い、だから再稼働と新増設をする必要があるという説明が政府からもあったが、それは原発を促進しようとした意図的な説明だという。大島教授によれば、原発がなければ、確かに化石燃料の輸入コストが増えることにはなるが、原発の維持管理、使用済み核燃料の処理、地域への補償などのコストが大きく増え、その増え方の方が大きいから発電コストは上がるとの説明だった。日頃基本的に原発の発電コストは高いと考えていたものの、それを確証できる根拠が具体的に得られなかったことでモヤモヤしていたのだが、霧が晴れたように課題を解消して貰えた。そして、コストがどんどん下がっている再生可能エネルギーを増やすことで、この化石燃料コストの引き下げと同時に、エネルギー安全保障を確保することが出来るのは明らかだ。再エネについては日頃理解していたこととほぼ一致していた。