効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

潮流発電の相反転方式発電機

NEDO長崎県沖で潮流発電の実証試験を行っている様子が報じられている。協和コンサルタンツ、アイム電機工業(北九州市)、前田建設工業九州工業大学早稲田大学が参加しているプロジェクトだが、次世代海洋エネルギー発電の要素技術として、相反転プロペラ式潮流発電技術を開発した。前後2段のプロペラで発電機の外側コイルと内軸磁石を逆方向に回転させる「相反転方式」を採用した潮流発電機。従来の1段プロペラに比べ磁界を切る相対速度が増すため、高い発電効率が期待できる。お互いに逆方向にプロペラが回るのだから、その相互関係をうまく調整するのは難しいだろうが、、発電機に発生する回転トルクが相殺されるため、外部への反作用がなくなり支持構造を簡略化できる利点もあるようだ。曳航試験では、長崎県伊王島から沖に約2kmの地点で、実用化時に想定される実機の7分の1スケールモデルを台船の船尾から3.5mの位置に置き、曳航することで海流を発生させている。発電出力は、流速2m/s時の定格発電出力1.38kWのところを、試験時の流速1.3m/sの条件で出力379Wを確認したということだ。これをプロペラ直径7mの実機に当てはめると、流速4m/sで543.6kWの出力が期待できるという。流速4m/sという数字から海流の早さが把握できないのだが、おそらく海峡を流れる海流にはこの程度の早さのものが多いのだろう。実用化の時にはこれを何基も設置するのだが、その設置についても、地元の合意など難しい課題があるだろう。海洋国日本にとっては推進すべき方式だから、地元もエゴを出さず協力してやってほしいものだ。海流は変化が予測しやすいので、系統にあまり悪影響を与えないだろうが、それ自体で出力を変化させにくいから、大型になると系統増強が避けられないだろう。