効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の風力発電増強策

風力発電協会の発表した資料に拠れば、2016年度末の累積導入推計量は、338万キロワット、2,245基、453発電所となっている。これを他国と数字だけで比較するのはあまり意味がないが、その増強に対する制約が風力先進国に比べて多いといわれる。地形、人口密度などの問題が影響する陸上に比べて洋上風力発電に力が入れられているが、それもなかなか進展していない。そこで、政府は洋上風力発電の普及に向け、早ければ2018年の通常国会海上の利用ルールを定めた新法を提出するようだ。沖合に発電機を設置する際の管理者や許可年数といった基準を明確にするなど、法整備で事業者のリスクを低減し、企業の新規参入を増やすそうとするものらしい。企業が参入をためらうのは利用ルールが未整備なためだ。政府はすでに港湾法の改正で自治体が事業者を公募する手順を定めているが、沖合など「一般海域」の利用には統一した決まりがなく、都道府県が条例で独自に定めている。海域の占用を認める期間も地域ごとに3〜10年と幅があるとのこと。政府内の調整が特に難航しそうなのは風車を撤去する時の決まりだというのを知って、あまり考えたことがなかったので少なからず驚いた。不完全な撤去になれば、海洋汚染防止法に抵触する恐れもあるらしい。これまで、連系系統容量の不足、広域制御の不十分さなどを考えていたが、事業性の確保の基本に影響することが多く残されているのが、風力発電増強の障壁となっているのだから、今回の政府の法整備が迅速に行われることを期待したい。