効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関電などがVPP実証に参加

政府が昨年度からバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業を行っている。VPPと電力の需要端に分散型電源や需要そのものの制御をとりまとめて相互連携して運用を行うことによって、需要サイドに見かけ上の発電所ができる、というもの。その実証試験の2年目の今年度、関西電力は家庭用の蓄電池を広域に取りまとめて制御することによって、全体の需要変動を制御しようとするプロジェクトを開始すると発表している。これまで需要が増えれば水力発電所や大型の火力発電所を稼働させて対応していた。ここで原発と石炭火力は出力を増減させることが難しいために、調整電源としては使えない。ところが、電力会社の手で制御できない自然エネルギーが増大することによって、調整力のある発電設備の必要度が高くなったのだが、通常の火力発電では円滑な制御が出来なくなり、最近では大型の蓄電池などで対応することも考えられてきた。それを家庭に設置されるような小型の蓄電池をとりまとめ(アグリゲート)て電力会社が指令して制御できるように仕様とするものだ。電力消費そのものを制御するDemand Side Managementもあるが、日本ではまだ普及していないので、蓄電池を使おうとしているわけだ。このような需要制御ができれば、発電設備を使う必要が少なくなり、事業の収益性は高まる。それに電力会社が取り組もうとしているところに日本的な特徴がある。欧米では取りまとめ事業者(アグリゲーター)が需要変動の管理を電力事業に売る形のものが多いのだが、それを電力事業者が自分でやろうとするのがどこまで消費者が満足する形でできるかがこれからの課題だろう。