効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

海流発電

NEDOの発表によると、NEDOと(株)IHIは、海流エネルギーを利用して発電する新たな再生可能エネルギー技術である水中浮遊式海流発電システムの100kW級実証機「かいりゅう」を、IHI横浜事業所で完成させた。海流はその流速などがほぼ一定であるために、このエネルギーを使って行う発電は、その流速に則した設計が可能なため、設備稼働率が高く、設備本体のコストが多少高くても収益性を出せるとされている。海中に設置されるために、場所の選定さえ適切に行えれば、景観の問題もなく、あるとすれば漁業権との兼ね合いと、必ず海底電線をかなりの距離引っ張らなければならないということだろう。その観点から今回のプロジェクトのように、鹿児島県十島村口之島沖の黒潮海域が選択され、離島での安定電源を確保するという意義がある。IHIは、今回の実証試験により発電性能や姿勢制御システムを検証し、海流エネルギーを有効かつ経済的に利用する水中浮遊式海流発電システムを2020年に実用化することを目指している。これから3年後ということだから、案外短期間での開発だという印象だ。以前から海洋国である日本が、海の持つエネルギーで発電することが重要だと思っていたのだが、やっとその第一歩を踏み出したという感じがする。英国は海洋発電の開発がかなり以前から進められているが、漁業権という厄介な問題はないために開発テンポが早い。IHIがこの技術を英国でも実証できればとも思う。