韓国の新政権が脱原発に舵を切ったと報じられた。文在寅大統領は19日、原発への依存度を減らし、液化天然ガス（ＬＮＧ）や再生可能エネルギーによる発電を柱にする方針を発表した。韓国では原発が発電量の３割を占める主力電源で、文大統領の表現では「エネルギー政策の大転換」となる。新規原発の建設計画は白紙化し、設計寿命を超えた原発の稼働延長は認めない。早期に脱原発のロードマップを作成するとしている。発電量の４割を占め、環境汚染の一因となっている石炭火力にも大なたを振るう。新設を全面中止し、老朽化した10基を文氏の任期内に閉鎖する。代わりに石炭より環境負荷の少ないＬＮＧ火力発電の稼働率を高める。再生エネの比率を引き上げるため、関連産業を育成するという。韓国で初めて廃炉になる古里１号機の運転停止の記念式典で脱原発を宣言したものだ。日本と同様にエネルギーの外部依存が大きい韓国が脱原発に向かったことは、いろいろな意味で日本にも影響を与えるだろう。例えばLNGの奪い合いなども起きてくるかも知れない。発電コストが上がるとされるが、それがどの程度になるかも日本の脱原発論に関係する。計画がさらに具体化するのを注目する必要があるだろう。
