効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国のパリ協定離脱

先進7ヶ国の環境相がイタリアで一堂に会して2日間環境政策について共通の理解を生み出そうとしたが、矢張り米国がパリ協定を離脱するという方針を変えさせるには至らなかった。トランプ大統領の選挙公約だから当然予想されたことだ。しかし、協定は離脱するが、米国独自に炭酸ガス排出抑制に努めるという趣旨の方針を示したのは、米国としてパリ協定の意味を無視することが出来なかったということだろう。しかも、米国のプルイット米環境保護局(EPA)長官が、全体会合が終わる前に退出したというのは、パリ協定を完全に無視できないと考えたからではないかと思う。最後まで居て全体の取りまとめに加わったとすれば、米国の存在を完全に抹消した声明になるよう主張せざるを得ず、それはG7の間の通商関係にもマイナスの影響を与える結果となることを回避し、会合の声明作成過程に米国は居なかったとして逃げたのだと解釈している。プルイット長官が地球温暖化は起きていないという何かの具体的主張をしたわけでもないようだから、実質的にパリ協定に対してつかず離れずの立場を維持し、いつでも方向転換できるようにしたのだろう。