効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道の褐炭から水素製造

北海道稚内空港の近くに未開発の褐炭の炭田があるのを採掘して水素を製造する計画があるとのことだ。褐炭はここでも以前書いたことがあるが、発火しやすく輸送に適していない。だから現地に石炭のガス化炉を建設して水素を取り出して低温液化し、本土の需要地に送るのだが、同時に発生するCO2を回収して豊富町天然ガス田に貯留することによって地球温暖化に影響を与えないようにしようとするものだ。炭素の貯留技術そのものが開発中で、これは全く利を生まないから、事業性の観点からして成立するかどうか分からないと思う。しかも燃料電池自動車の普及も進まないし、大規模な水素発電技術も開発中だ。水素の需要がまだ殆どないことを意味する。水素の液化にも電力が必要だが、自然エネルギーだけから電力を得るというのも難しい。余程の政府支援がないと事業性は出ないだろう。NEDOの実証試験として行うのなら意味があるかも知れないが、そういうことにもなっていないようだ。国内炭を使うというのは発想としては非常に面白いので、何とか実現の方向に向かえる知恵者が必要だろう。とはいえ、肝心の水素需要がまだ非常に小さいのだからどうしようもないように思える。