日本列島の周辺には大量のメタンハイドレードが埋蔵されているらしい。だがその量の確定と、それをどのように採取するかの技術的課題は未解決だった。昨年まで、政府は試掘を行ってきたが、世界で初めて海底からの採取に成功したものの、生産設備への砂混入などのトラブルにより試験的な生産を6日間で打ち切ったそうだ。これについて、4〜6月に愛知、三重両県沖で再開すると明らかにしたようだ。周辺の東部南海トラフ海域に存在するメタンハイドレートの推計量は、日本の天然ガス消費量の約10年分に相当するということだから魅力的ではあるが、生産時の漏洩、採掘したガスの輸送などまだ大きな障壁を乗り越えなければならない。政府は2018年度をめどに、商業化実現に向けた技術整備を行う目標を閣議決定しているが、目標が雲散霧消する可能性もある。漏洩したりすると、CO2の10倍もの地球温暖化効果を持つし、海底からの採掘には常時予想しない漏洩が起こる可能性がある。余程確たる目途が立たない限り、商業化に踏み切ることは難しいだろう。