九州旅客鉄道(JR九州)は19日、同社が開発した、蓄電池で走行する電車「DENCHA(デンチャ)」の営業運転を開始したと報じられている。非電化区間の筑豊線・若松(北九州市)―折尾(同市)間の10.8キロメートルを1編成2両が走る。2017年春には6編成を追加投入し、同区間のすべてのディーゼル車をデンチャに置き換える予定だとしている。これまで、ディーゼルエンジン発電機を利用して非電化区間を走る電車があったが、蓄電池だけで走る列車が登場したのは愉快な話だ。やはり、蓄電池の価格が急速に下がっていることが背景にあるだろうし、自然エネルギーからの電気で充電するというオプションも採用できるからだろう。デンチャの1両あたりの製作費は約2億3千万円で、同区間への投資額は約32億円。ただ、ディーゼル車よりも保守点検コストと動力コストがそれぞれ4割程減らせるため、効率化につながると試算しているようだ。次には燃料電池駆動の列車が登場するかも知れない。蓄電池電車であれば、ブレーキをかけるときに発電する回生電力の利用もできるし、電車の動揺を発電する動力に使うことも案外有効かも知れない。最初から設計することになるだろうから、楽しいアイデアを盛り込んで欲しいものだ。