効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

系統接続

風力や太陽光発電を送電系統に接続するとき、系統を強化しなければならないことが多い。その時に一つの発電事業者が全額負担した後に別の事業者が接続を希望したときに、そのコストを分担することはあまりなかったと理解している。しかし、状況は変わりつつあるようだ。東北電力が9月30日から、新潟県村上エリアにおいて、電力広域的運営推進機関の送配電等業務指針に規定されたルールである「電源接続案件募集プロセス」(募集プロセス)を開始したと報じられている。
「募集プロセス」とは、系統増強費用が高額となる場合において、その費用を共同負担する事業者を募集するもの。通常の系統連系工事費の負担方法(3年ルール)は、先行事業者が工事費負担金を一旦全額負担し、後続事業者が容量按分した金額を、先行事業者に返還することになっていたが、もめることが多かったようだ。ただ、「募集プロセス」は、先着優先ではなく、「募集プロセス」に参加する発電事業者が受電電力1kWあたりの工事費負担金額を入札する。これにより、工事費の負担額が入札金額(入札単価×契約電力)となり、先行事業者の初期投資の負担が軽減され、事業性の見通しが立てやすくなるなどのメリットが期待されている。「募集プロセス」では、募集容量に達するまで、原則として、入札単価が高い発電事業者から順に、優先系統連系希望者として決定されるということだ。優先系統連系希望者の入札総額が系統増強に必要な工事費を下回った場合には、募集プロセスは不成立となり終了する。
この場合、送電事業が想定するコストが妥当なものかどうかが問題となるだろう。