効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の大気汚染対策

中国の大都会では大気汚染がひどい。北京市では2015年末、PM2.5が一時、世界保健機関(WHO)が推奨する安全値(1日平均)の40倍に当たる1千マイクログラムを超えた。市民は外出時にマスクを手放せず、飛行機が離着陸できないなど経済活動にも影響が出ている。海を越えて日本にも汚染が及ぶ。日本へは黄砂だけでなく酸性雨も微粒子もやってくる。領海侵犯も甚だしい。この対策として飴と鞭の環境対応政策が始められている。15年のPM2.5の平均濃度が96マイクログラムだった鄭州市は4月、濃度を79マイクログラム以下に抑える目標を定めた。域内の区などが目標値を下回れば、1マイクログラム当たり50万元(約840万円)を支給する。年平均の数値を69マイクログラムにできれば、日本円で1億円近い報奨金が出る計算になる。逆に、目標値を上回れば同額の罰金が科される。製鉄所などが集まる湖北省は昨年末から同様の仕組みを導入し、1マイクログラム当たりの報奨金と罰金をそれぞれ30万元とした。14年から制度を始めた山東省は最近、賞罰の金額を40万元に倍増した。罰則と報奨の双方を設ける「アメとムチ」の制度は今後、中国全土に広がりそうだ。報奨金を再投資して環境対策にかかるコストを軽減する仕組みが整えば、行政と地元企業が一体で対策を強化しやすくなるからだという。日本企業の環境技術を受け入れる市場も広がりそうだというが、今の外交関係の中で円滑に進展するかどうかは分からないだろう。