効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スケルトン・インフィル

昨日大阪ガスが運営している実験集合住宅NEXT21に関するセミナーに出席した。そこでの主題がスケルトン・インフィル。スケルトンとは建物の構造体のことで、インフィルというのはその構造体の中に納まる住居部分、共用部分、公共部分のことだと理解している。もともとガス機器の開発目的の実験住宅から発展したもので、都心部に集合住宅を作ってこれからの住のあり方を探るプロジェクトに育っている。NEXT21集合住宅は、頑丈な中核構造の中に、設計の自由度が高い住居部分と共用部分、それに環境スペースとしての公共部分を組み込んだものだ。住居部分は、そこに住む人の家族構成は住まいへの希望を盛り込んで設計され、それを時間の経過の中で柔軟に変更できるようになっている。講師は、京都大学の高田教授、大阪市立大学の住田名誉教授、コーディネーターとして市浦ハウジング&プランニング社の川崎副社長が登場。日本の住宅構造が大きく変わってきたことがよく理解でき、住宅のあり方自体が戦後の歴史を大きく反映しているものであることがよく理解できた。ただ内容はここで説明しきれないので、一つだけなるほどと思ったことを紹介する。関西の長屋では、大家と店子という関係があり、大家は建物の外郭だけを建てる。それを借りるのが店子だが、内装も含めて店子の好みが反映されやすいようになっていたということだ。店子が引っ越しする場合には、畳、障子なども含めた内装も外して持って行ったのだという。関西の場合京間で統一されていたために、持って行った先で畳などはそのまま使えるし、そのような内装の中古品の売買もよく行われていたそうだ。戦後の公団住宅のようなお仕着せではなかったのだ。これが現在の住宅のあり方を考えるときに参考になるものだと思う。住む人の希望に添って内部を造作できるようにするコーポラティブ・ハウスのようなものが、高層住宅にも取り入れられて、住民が望む住環境を具体化できるような住空間がこれから要請されるのだろう。