効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツのスマートメーター

欧米全ての国で、可能な限りスマートメーターを設置しようとしていると思っていたが、ドイツはそうではないようだ。EU加盟国は2009年の第3次電力自由化指令で、スマートメーターに便益がある場合は20年までに需要家の80%以上に設置することが義務付けられている。この便益がある場合という条項の判断で、ドイツはかなり便益が大きくないと義務づけない方針のようだ。ドイツ連邦政府は、スマートメーター(次世代電力量計)の設置義務を年間消費電力量6千キロワット時超の需要家に限定する方針だという。一般家庭のわずか5%。同6千キロワット時以下は費用対効果が小さいと判断し、配電事業者の判断に委ねている。他の欧州連合(EU)加盟国に比べて時間帯別料金メニューの料金差が小さいことが主因だというが、デマンドサイド・マネジメントなどに利用しないのだろうか。ドイツ議会はスマートメーターがプライバシーの侵害になるとしてきわめて消極的だと聞いてはいたが、ここまで後ろ向きだとは思わなかった。大量に設置されている太陽光発電や分散型圧電の制御を、スマートメーターを介して行うのは考えていないのだろうか。何か別の効果的手段があるのだとすれば、それを知りたいものだ。