効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

傷に強い漆器

仙台の工芸品に「玉虫塗」ということを初めて知ったが、これを作る東北工芸製作所が、来秋にも「傷がつかない漆器」を発売するという。それも産総研と共同開発した製品で、食器洗い器でも洗えるほど丈夫なものらしい。これまで漆器を敬遠してきたレストランなど業務用に加え、外国人観光客や輸出向けの主力ブランドに育てようとしている。特殊な粘土を含んだ溶液を玉虫塗の表面に塗り、「ナノコンポジット層」と呼ばれる透明な保護膜を作るのがその手法。漆器表面の硬度を高め、紫外線による色の変化も抑えることに成功している。表面の粘土層はスプレーで塗ることができるというから、量産にも問題はないようだ。漆器といえば確かにデリケートで手荒に扱うとすぐに傷がつくし、高温の水で洗うのも駄目、というのがこれまでの常識だったが、実用品だけにそのデリケートさが輸出などには向かなかったし、多くの食器を扱うレストランなどでは他の食器と分けて扱うのは煩わしかっただろう。和食を海外に普及させるときにも、和食には食器との相性が問われるから、今回の商品開発は時宜に適した物のように思える。玉虫塗は、下地や中塗りなどを繰り返した後、漆を塗る前に銀色の粉をまいて漆器に輝きを持たせるのが特徴らしい。木地だけでなくガラスや樹脂、金属、紙など様々な素地に対応できるという。