オバマ大統領は、11月7日、カナダから石油をテキサスまで運ぶキーストンXLパイプラインの設置を認可しないことを決めた。2700キロの長大な原油輸送パイプラインで、トランスカナダ社が認可を求めていたものだ。米国のシェールオイル、シェールガスの開発が大きく進展したことから、これまでなら想定しにくい不認可だろう。ただ、この敷設に反対してきた環境保護派の言う理由によっての不認可ではなく、共和党がこの計画に認可を出させようと期日を切って迫ったものを、環境に与える影響やコストなどを検討する時間が不足することを理由にしたもののようだ。米国がこれまで大きく依存してきた中東からの石油輸入も含めて、米国の石油依存をできるだけ少なくしようとするオバマ政権の姿勢ではあるが、来年の大統領選挙の結果によってはこの認可が肯定される可能性もある。世界の原油価格動向とも関係するが、日本もその影響を受けるだけに、今後の進展を見守る必要があるだろう。